レーゾン・デートル

作桜ありま




ボトボトッ。

「・・・・・・・これ、何だろう??」

零一さんと付き合って、数ヶ月。
零一さんのお家に来るのは今日で二回目。
私は今、零一さんの部屋のドアを開けた筈・・・だった。
が、そのドアは部屋への扉ではなく押し入れで、自分の勘違いに赤くなりながらも、押し入れからボトボトと落ちてくる包装されたものや、紙袋に入った軽いもの?に疑問符を感じる。

包装されたものは、良く使われている包装紙。
だけど・・・
慌てて、押し入れの中に、落ちてきたものを入れ直そうとして、私は紙袋の中に入っているものを視界にちらりと、写してしまった。

女性用の・・・服。

一瞬でも、零一さんが、私にプレゼントをくれるんだという甘い想像を持たなかったのは、その服が大人びていて、いつも子供っぽい服ばかり着ている私にはどう考えても不釣り合いなもので・・・。

この服が着れるようになったら先生ともつりあうのかなぁ・・・

なんて、想像していた、バイト先でのブティックジェスでマネキンが着ていたものだったから。

悪いと思いながらつつ、袋から出してみると、私より背の高く、胸がある女性が着るようなサイズ。

もしかして、零一さんの元の彼女・・・の?

零一さんは恋愛について語ってくれない。
ここにあるのは元の彼女へのプレゼントだったかもしれない。
無駄なものが嫌いな零一さん。
それを捨てられないって事は…

「…どうした?」
なかなか零一さんの元へ帰ってこない私を心配して、様子を見にきたらしい。
しかし、押入れの扉が開け放たれて、廊下に散乱しているプレゼントや服を見て零一さんは息を呑む。

「見た、のか?」
…零一さんでも、気まずいらしい。
「ご、ごめんなさいっ部屋のドアと間違えてしまって・・・開けたら落ちて来てしまって」
「・・・言い訳はいい」
少し顔を赤らめてプイと、顔を横にそらす零一さん。
怒ってる?

気まずい沈黙。
一つ一つ丁寧に私は包みを拾い上げる。
落としてしまった衝撃でか、包み紙が変になっていた。

そして、服をたたみながら、私はポツリと言ってしまう。

「零一さん、前の彼女の事・・・忘れられないんですか?」

・・・非難するような声音になってしまうのは仕方がない。

私はそんなに大人じゃない。

「?」
しばらくしてから、何を言うんだ?とでも言うような、零一さんの視線を感じて私は顔をあげる。
「隠さなくっていいんですだって、零一さん、これ女物・・・元カノのでしょう?」
そう言って、たたんだ筈の洋服をバッっと、零一さんの目の前に差し出した。
すると。

コホン。
零一さんが咳払いとともに、いいにくそうに告げた内容は・・・

「それは・・・君に買ったものだ」
「え?」

嘘にしても、もうちょっと上手い嘘をついてほしい。
「零一さん、だってこれ私には・・・」
信じられない思いで私は反論する。

そんな私を見て、散乱していた、包みを一つ、また一つと、開けていく零一さん。
私が拾い集めて、整えていた包みさえも全て包装紙を無造作に破り捨てる。
零一さんらしくない行動。
私はただ、黙ってみているしかなくて。
そして、その包みから現れたのは。

嘘?

見覚えのある商品。

包み紙の中から次々と現れたのは・・・

「自分で私に売ったものぐらい覚えておきなさい」

そう、それは私のバイト先のブティックに零一さんが立ち寄った時買っていたもの。
あの時は、プレゼントだと、言い張っていた零一さん。
それが今ここに手付かずであると言う事は?

「でもこの服は・・・売ってないです、零一さん」
「これは・・・君が休みの時に立ち寄ってしまって、他の販売員に話し掛けられたときつい君がいつも見ている服を見てしまい・・・売りつけられた」

私のことを・・・見てた?

「れ、零一さん」
「君に会いに行くにも・・・冷やかしばかりだと迷惑だと思ったからだ」

あの頃から私の事、好きだった?

言いにくそうな低い低い声。
でもそれが、怒っていると思わないのは・・・

「それに私に、元カノなどと言うものは居ない」

零一さんの顔は、耳まで真っ赤。

「なぜなら女性に恋したのは、君が初めてだからだ・・・以上っ!」

Q.E.D

真っ赤になった零一さんの証明終了。
私は今日、二つの真実と、沢山のプレゼントを手に入れた。





ED後ということで、かなり恥ずかしい台詞を氷室せんせに(/////)大判ぶるまいさせて頂きました。
前々から、書きたいと思ってた、ブティックバイト編と、氷室せんせの恋愛経験vv
ネタがまとまらなくって、まとまってからは二日で何とか書き上げました!(o^∇^o)ノ
レーゾン・デートルと、言う意味は『その物が存在している理由』・・・何語だったかは忘れたのですが〔苦〕
取りあえず、このプレゼントの存在理由は氷室先生の主人公への恋心??という事で。
それにしても、せんせの恋愛経験。私はこう解釈しましたが他の方はどうなのでしょうか?
車での質問。CVの子安武人さんの演技が、いままでしたことがないなんて事は言えない・・・と少し強がり(見栄?)をカンジさせる演技だったものですから。(幻聴)
それに恋愛したことあったら、もうちょっと大人の余裕がありそうではありません?と思ったので。←思い込み過ぎ???
本当にせんせい無防備?スギなのだもの。爆。(やり手ババア的発言〔苦〕)

今回ちょっと違うテイスト?ですがどうでしょうかちかげ様(^_^;)に捧げますv





桜ありまさんから頂いた『ときめきメモリアルGirl's Side』の小説です。
うっきゃ〜〜(≧∇≦)v
氷室先生ったら、氷室先生ったら可愛い〜〜〜!!
私もこのイベントみましたよー!
冷やかしから、誰かへの?プレゼントだと言い張るセンセイvv
そうか〜センセイったら主人公ちゃんにプレゼントするために〜〜vv(妄想肥大)
そんな行動の1つ1つが愛しいです、センセイ(*´∇`*)
私も『氷室先生には彼女いなかった!』に一票です!(票?)
無防備なセンセイが可愛くて堪らないのですし〜vv(私もババア的発言!?(笑))
桜さん、今回も萌えヒムロッチ小説ありがとうございますー!

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